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我が家の四猫物語 (1)

更新日:2021年9月1日

我が家の四猫物語


 現在、我が家には四匹の猫がいる。

 アーペッペンとYves(イヴ)、蕨、忠信である。

 アーペッペンとYvesは七歳になった。十年ほど前に軽い大病をして、軽い大病というのは変ないい方だが、大病なのだが運よく重篤にならずに軽症で済んだということなのだが、それ以来、家にいることも多くなり、猫が居てもいいなあと思うようになっていた。

 それからしばらくしたある日、娘が母親、私の妻だが、を誘ってミグノンという動物の保護団体の譲渡会に遊びにいくことになった。娘の知り合いの知り合いが主催しているという団体だ。帰宅するなり、すごくキレイな仔がいると二人で大興奮している。シャムの混ざったキジトラの仔だという。目がすごくきれいらしい。その譲渡会のウェブページを見ると、確かに、その兄弟はどの仔もかわいい、シャムっぽいのが多いのだが、その中の女の子の一匹はほぼ普通のキジトラで杏(きょう)ちゃんと呼ばれていた。この仔が目の色がきれいで、ケージのそばを通ったら、手をだしてきたのよ、ウチに来たいのねうふふ、などと二人していう。

 確かにかわいい。そんな感じに家族全員で一目惚れしたのだった。

 よし、この仔を引き取ろうということになったのだが、実は猫エイズの擬陽性でしばらくミグノンの方で様子をみるということになった。生まれたのが春先らしく、譲渡会が夏、そして陰性であることが分かって実際に家に来たのはもう晩夏になっていた。

 実際に引き取ることになってから、一人では淋しいのではないかということになって相談したら、仲のいい仔がいるということで、白猫の兄弟を推薦してもらう、この仔たちも譲渡会で見た仔たちだ。一匹はまっ白で目は鮮やかなブルー、カギしっぽの仔で登ろう君と呼ばれていた。とにかく高いところが好きで登れるところがあればどこまでも登っていく。ケージの側面をずりずりよじ登っていた姿がかわいく、印象的だった。その妹の白猫、この仔の目は少しきみどりがかっていた、と一気に三匹が家に来ることになったのだ。

 三匹とも猫エイズは陰性となり、めでたく我が家にやってくることになり、三階建ての大きなケージを用意して迎えたのだった。

 キジトラの女の子はアーペッペンと娘によって命名された。杏ちゃんも可愛い名前だったが、アーペッペンという名にはいわれがある。

 娘がまだ幼稚園にいくかいかないかの時に、近所の公園で遊んでいると一匹の小さな三毛猫が三人くらいの男の子に追い回されているのに出会い、妻が子供たちにいじめるのは止しましょうなどとなだめて逃がしてあげたのだった。その公園からの帰り道、あの仔は元気に暮らしていけるといいねなどと話していると、ビルのちょっとした植え込みからさっきの三毛猫が顔を出して鳴いたのである。持っていたペットボトルの水を飲ませるとごくごく飲む。ガリガリに痩せていて、哀れで、娘が連れて帰りたいといいだし、妻もかわいそうになって家に連れて帰ることにした。ガリガリに痩せた三毛猫だったが、眼光は鋭く、すでに親バカが入っていたが、いかにも聡明そうな猫だった。

 突然の来訪者だったが、すぐにトイレなど用意し飼う準備をした。ところが思わぬ突発事態がおこるのだった。

(つづく)


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